基盤研究(B)一般
 中国古代戦国期における楚文化の学際的研究

中原楚文化プロジェクトとは

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基本データ

種目基盤研究(B)一般
課題名中国古代戦国期における楚文化の学際的研究
――中原とのかかわりに注目して――
課題番号21320068
研究代表者大野圭介(富山大学准教授)
研究分担者石川三佐男(秋田大学名誉教授)←2010.4.1秋田大学教授より異動
谷口洋(奈良女子大学大学院教授)←2012.4.1奈良女子大学大学院准教授より異動
田宮昌子(宮崎公立大学准教授)
連携研究者澁澤尚(福島大学准教授)←2010.4.1研究分担者より異動
矢田尚子(盛岡大学准教授)←2012.4.1研究協力者より異動

研究目的

  1. 研究目的の概要

     本研究は、中国古代の戦国期において、南方の長江中流域の楚国に開花した「楚文化」が、北方の黄河流域のいわゆる「中原」の文化とどのように影響し合い、発展していったかを、多面的な視点と学際的手法によって分析し、再検討することを目的とする。

     楚文化の所産として最も重要な文学作品は、戦国末期の楚国で生まれた詩歌群『楚辞』である。『楚辞』の作品は屈原が主要な作者とされ、君主に容れられぬ賢人の悲しみの歌、巫祝(シャーマン)の神語りや魂よばいの歌など、奔放な想像力と情熱にあふれた浪漫主義的な作品が多く、儒家・墨家・法家などの諸子に代表される、主知主義の色合いの濃い中原の諸文献とは様相を大きく異にする。

     本研究はこの『楚辞』を中心に据え、他の戦国期の諸文献や、近年発見が相次いでいる出土資料も用い、『楚辞』が楚文化の中でどのような位置を占めてきたのか、中原の文化とどのように相互作用を及ぼしてきたのかという問題を検討するものである。

  2. 研究期間中に何をどこまで明らかにするか

     前節で述べた目的を達成するため、以下の課題を研究期間中の目標とする。

    Ⅰ 従来『楚辞』文学との関係を論じられてこなかった諸子等の文献を精読することにより、両者の間をつなぐミッシングリンクの解明をめざす。

    Ⅱ 楚地・中原の未公開のものを含む出土資料を精査することにより、『楚辞』の背景たる楚文化の特質、また中原文化と楚文化の差異や共通点を探り、それを『楚辞』の解釈へとフィードバックさせる。

    Ⅲ 民俗学・本草学・語学的研究や計量分析等、『楚辞』研究の新たな手法の可能性を探り、伝統的な文献研究や出土資料研究の成果と有機的に関連させていくことをめざす。

     以上の研究に海外研究協力者による研究成果や助言も合わせて、『楚辞』と楚文化の形成や中原文化との相互作用について、多面的な視点と学際的手法によって創見を得ることが、本研究の最終目的である。

研究計画

  1. 研究計画の概要

  2. 平成21年度の計画

  3. 平成22年度の計画

  4. 平成23年度以降の計画

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